あたしはポツンと1人、教室に残されていた。
「帰らないと…」
あたしは荷物を持つと自分の教室を後にした。
学校の帰り道……
学校ってこんなにもめんどくさいんだ。
初めて知ったよ。
イメージとはまったく違っていた。
あたしのイメージは、みんなシーンとしていてみんな頭が良いかと思ってた。
でも現実は、ほとんどのクラスの人は頭が悪い。
だから授業というものが遅れているんだ。
こんなので…
友達なんか作っても意味ないな…。
あたしはボケーっとしながら家まで歩いていた。
「はぁー…姉さん、隠れてないで出て来てよ。
凄く鬱陶しいんだけど。」
歩くのを止め、あたしはうしろを向いた。
…まったく、隠れるのが下手すぎ。
どうせ手を抜いているんだ。
あたしが子供だから…
「あ、バレちゃった?」
てへっと舌を出しながら物陰から出てきた。
「バレバレ。
どうせあたしが子供だから手を抜いたんでしょ?」
あたしは姉さんを睨みながら言った。
でも姉さんは顔色も変えずにあたしの所まで近づいて来た。
「杏、家まで一緒に帰ら「いやだ。」
絶対に嫌だ。
なんで姉さんと帰らなきゃならないの。
「即答しないでょ~」
~♪~♪~♪
「もしもーし」と姉さんが言うと、電話越しから怒鳴り声が聞こえてきた。
…多分、この声は兄さんだ。
ていう事は姉さん、また仕事を抜け出してきたんだ…。
「え~…仕事に戻らなきゃならないの?」
「はいはい…戻って来ればいいんでしょ?」
プチッと電話を切ると姉さんははぁ~とため息を出した。
「もぉ、尚也怒ると怖いんだから~
……じゃああたし仕事に戻るね、杏。」
「はいはい」
姉さんはスッと風のように消えていった。
…姉さんは何しにここに来たんだろう。
そんな事を考えながら家に帰って行った。

