期末テスト当日はあかりと琉晴に叩き込まれた全ての力を出し切った。

今までの杏奈じゃ考えられない位…問題の答えがわかっちゃう。




うちの学校はマークシート。

全部のテストが終わった人から退出していい事になってる。


最後まで残って見直しする人もいれば早く終わらせて帰っちゃう人も…。


いつもだったらしぶとく残って問題と睨めっこしてるけど、今回のテストは確信があったから初めての退出をした。

杏奈が自信ありな顔で教室から出たから先生は驚いてたけど、廊下に出たらあかりが笑顔で迎えてくれた。



「どうだった?出来た?」

「ありがとうー!!あんなに埋められたの初めてだよー」

「そっか、そっか。よかったね!…あれ?今日って…」

「やっ……、言わないで!…めっちゃ緊張してんの……。…本当は…、テストより緊張してる」





今日…、初めて遥と遊ぶ約束をした。

今だかつてない位の緊張で、テストに集中する事でごまかしてた位。





「…プッ、アハハ…大丈夫だって!アン緊張し過ぎー…とりあえず楽しんで、ねっ!」

バシバシ肩を叩かれて大笑いされた。

口元はからかうみたいに笑ってるのに優しい顔するあかりを見てたら…何で力が入ってるのかわからなくなっちゃった。



「じゃあ…行くね」

「はーい。…リラーックスだよ、アン!リラーックス!!」


あかりに手を振って廊下を歩いてると、遥のクラスの扉の前にきた。

横長の小窓を覗いたら必死で頑張っている姿が見えて、遥が勉強してる姿なんてレアだな…って笑えた。