「もう、わかんない!!やばい……」

「杏奈もー…、わからない所がわからないんですけど」




詩衣が頭を抱え込んでテーブルに俯せた。

普段から勉強をやり慣れないせいで詩衣と2人で弱音吐きまくり…。

呆れたあかりが側に来てくれた。




「どこ?あたし詩衣の見るから琉晴アンの見てあげてよ」

「えっ?いいよ!!大丈夫!杏奈1人でやれるから、ねっ!」


両手をぶんぶん振って断った。









断ったのにぃ…。



「どれ、どこがわからんの?俺がマンツーマンで教えてやる。さぁ座れ!!」

「ぃやぁー!やだやだ。琉晴絶対スパルタだもん!杏奈もあかりがいい!!」

「…お前なぁ。この俺様に教えて貰えるんやぞ。感謝せぇや。」


もう…、杏奈をいじめるのを生きがいにしてるみたいな琉晴。
この蛇のような目に睨まれたら、さすがにやるしかないじゃん。


口を尖らせながらやってたら、こたつで眠る遥に目がいった。

勉強する気がないのか横になって仮眠中…。


なんて要領がいい人。
杏奈なんて頼んでもないのに琉晴がびっちり付いてるんだよ。


「遥起こしちゃおっか。」


遥を起こすのはいつの間にか諒士の役目になってる。
この人…、寝起きの悪さはピカイチで、優しく起こせば起きないし怒って起こせば不機嫌になるし…。


ちょっと…だいぶ面倒臭い人です。

けどこういうタイプの人って起こされた事を覚えてないんだよね。

周りがどれだけ大変かもしらないで…。