「つーか……!」



遥が話し出した語尾が強くなった気がして思わずびくって肩が上がった。


余計な事詮索して怒られるって思ったから…。

あぁ…、杏奈ってば何でこんなにバカなんだろう…。



誰にだって触れられたくない気持ちってあるのに…。

遥にとったら嫌だったよね。








「…ククッ…何びびってんだよ…、俺別に怒ってねぇし………むしろ…」


そーっと顔を上げて遥を見たら…。









優しい顔して…片目を細めてた。


「むしろ…?な…に?」

「…フッ…むしろ、感心してる。一緒にいる琉晴だって気づかねぇよ。……杏奈すげーじゃん…。俺の事わかってる……。でも今日は大丈夫。楽しかった…」




だって…、いつも見てるもん。

そう言いたかったけど…、悔しいから教えてやんない。



「まっ、まぁね…楽しかったならそりゃ良かった」


見透かすような視線が恥ずかしくて早口でまくしたてた。

それでも杏奈の気持ちなんてばれちゃってるんだろうけどさ…。





「杏奈はないの…?俺にプレゼント。今なら出血大サービスでもらっちゃうけど?」

人差し指を立ててちょいちょいって動かした。

このタイミングを作ってくれる所とか…。





もう…、好きすぎる。






「…あるよ………はい…」


ポケットからラッピングされた手の平サイズの箱を渡した。

白い箱に水色のリボン。





「おー、マジであったの?サンキュー……。それにしてもお前…、持ち歩くなよ!」




たった1つでいい…。

杏奈がプレゼントした物。


いつも使う物で側にいられる物。