結婚式が終わった。


凪も詩衣も南も出席してくれてすごく幸せな感動の式だった……。

あかりは留学中で帰って来れなくて残念だけど欠席。


でもわざわざメッセージカードを送ってくれて感動したよ。



“永い人生、大切なパートナーを撰んだアンは幸せ者!!
喧嘩もある。泣く事もある。それでも肩を寄り添いながら生きて下さい”



あかりからのメッセージカード。

異国の地からでも祝ってくれる仲間に目頭が熱くなった。



たくさんの祝福を受けて本当に嬉しかったんだ。










式が終わって2日後、荷物を取りに実家に帰った時だった。



「アンー…、そういえばねこれ届いてたよ」

「何…?手紙……?」



お母さんに渡されたのは茶色の封筒。


「昨日届いたんだけど差し出し人が書いてないの」



お母さんから受け取って裏を見たけど名前も書いてない。

何の変哲もない袋なのに……どうしてだろう…。




ドキドキしてる…。







もしかしたらって気持ちがあった。

彼かもしれないって期待が残ってた。



「…ん……ありがと…」



封筒とハサミを持って隣の部屋に移動した。

封を開けようとした時…切手に押してあるハンコに目が止まった。






緑色のハンコで書いてあった名前……。



ドクンと跳ね上がる心臓。


震える指先…。









彼の住んでる駅の近く…。

この郵便物は……、遥の家の近くから出されてる。








開けなくてもわかった。



これは……



この手紙は…。










遥からの手紙。