遥の唇が首へ落ちてくる。 耳…おでこ 睫毛…頬っぺた 確かめるみたいに何度も髪に指が通る。 欲しかった手が近くにあって…… 自分の手をぎゅっ…て絡めた。 杏奈の愛しい人。 大好きで……たまらなかった人。 月に照らされて遥と瞳が合った。 薄茶色の瞳は…杏奈だけを見つめて。 暗闇の色と交差する。 遥……。 愛してる………。 愛してた………。