国家試験も無事に終わって後は卒業を待つだけになった。


あと何日…って、指折り数えてた学校生活もあと1日。



あと1日なんだ……。








杏奈…もううちの生徒じゃなくなるんだね。




この学校生活に後悔なんて……。

心残りなんて……。







たった1つしかないよ……。







遥にもう1度想いを伝えたい。







叶わないなんて思いたくなくて諦めるなんて出来なくて。

しつこいのは分かってたけど…、これが杏奈の精一杯だから。




遥と出会えた意味をね…、考えれば考える程。


胸がきゅーってなって自分でもわかる位脈が速くなって…。







やっぱり好きだって伝えずにはいられないんだ。










こんな気持ちは初めてで…。


誰かを愛おしく想うのも初めてで…。








貴方の為に生きる事が出来たらって思った。



でも遥の事だから、

「杏奈の人生は杏奈の物なんだから俺の為に生きたいなんて思うなよ」




って……。


少し困った顔しそうな気がする。






「ってかさ……、杏奈はそんなに俺が好きか…?」





きっと……、遥は笑ってそう言いそうな気がする。