琉晴から伝えられた内容は…。
「とりあえずな、俺ら頭は出来るけどメイクがどーもな……。アンと詩衣が本気ならって思うんやけど…」
「やるっ!ってゆーかやらせて欲しい!」
「おっ…おう。…じゃぁ駅前で遥達が待っとるから行くか」
「遥?遥もメンバーなの?」
「遥も…ってお前……遥はうちのリーダーやし」
顔を緩めて笑う琉晴に本気で感謝しちゃった。
だってこんなチャンス願ってもない事だよ。
ずっとやりたかったショーのスタッフになる事が出来て遥とも一緒って…。
琉晴達のチームは女の子1人しかいなかったみたいで琉晴を始め…、遥、諒士。
杏奈達にとっては初対面の敦とマミ。
そこに杏奈と詩衣が入って7人のメンバーになった。
遥の友達の敦とマミだけが唯一のヘアーショー経験者で後はみんな手探り状態。
でも、ショーに参加できるなんて…。
また思い出が増えちゃう。
楽しい思い出でいっぱいにしたい。
「ほら、アン。置いてかれるよ」
「あっ、うん…」
喫煙所を出てから駅のカフェまで歩いた。
杏奈達以外のスタッフは揃ってて、テーブルの上には走り書きのメモとかデッサンされた紙が並んでる。
美容学生がやるショーって言っても来てくれる人はお金を払って来てくれるから…。
やるからには手抜きは出来ないし、したくない。
杏奈が見る側だった時みたいに“感動した”って思って貰いたいんだ…。

