2年生に上がって2ヶ月が過ぎた。

最初の頃こそ緊張したけど最近じゃ何とかクラスにも馴染んできて…。



皆も連れ歩いてる友達が違ったりしてる事になんか寂しいなぁー…なんてさ…、ワガママだよね。



季節は大嫌いな梅雨を迎えて湿度の高い毎日と格闘してた。


「本っ当…この湿気どうにかならないかね」

「言えてるー。もう気分も髪も最悪だよぉ。あたし前髪浮いてないー?」



くせっ毛の杏奈と前髪が浮きやすい詩衣。

うちらにとってこの時季はすごく辛い。


髪は広がるしうねるし。

美容師になりたいと思ったのも小さい頃からこのうねりやすい髪をいじったりしてて髪を触るのが日常になってたから。

小さい時からはねたり広がったり…。


自分の髪が好きじゃなかったんだ…。




「杏奈も…。前髪が嫌すぎる。もう帰りたくなってきた」

「…だね。そういえば遥も最近元気ないんだぁ。アン何か聞いてる?」





そう…。杏奈も気づいてた。
遥はここのところ様子が変なんだ。

あの顔は何か考えてる。


杏奈達には言わないけど…、わかるもん。





「…知らない。てゆーか何気に杏奈避けられてる気がするんだけど……気のせいかな…」

「えっ、そうなの?」

「うん…何となくだけどね」




ため息をついて空を見たら薄いグレーの雲。

まるで杏奈の心の中を見透かすような色…。