SPRING ★ SPRING ★ SPRING

ハンガーにかけた制服は、少しくたびれ具合に拍車をかけた感はいなめないけど
とりあえず草の欠片模様は消え去って、いつものなにくわぬ無地の紺。


土色になった靴下を手に洗面所に入ると
すぐ後ろから、一つ年下の妹が着いてきた。


「あれ、お兄、なぜに靴下?
手洗いうがいに靴下洗いって、新たな健康法開拓したとか?」


高1になった妹は、
細身で背の高い姿態と、うっすら乗せた化粧のせいか
見た目はだいぶあか抜けたというのに、
おつむの方は気取るという大人の社交をいっこうに覚えない。


「靴下洗って健康効果だったら、世の中の主婦はみんな病気しらずだろ。
ただの洗濯。
激しく汚れたから放置もできないレベルなの。」


てきとうに答えながら、手洗いだけするであろう妹に順番を譲る。


「激しくって、砂場遊びでもしでかしたわけ?
それマジ土色じゃん。」


すれ違いざまわざわざ俺の手の中をのぞき込む妹に、ふがいないけど笑しか返せない。


なにせ、砂場遊びではなかったものの、
土手でいぬのように転がっていたのだから、大差はない。