SPRING ★ SPRING ★ SPRING

「心配しなくてもケアレスの方だから。
前進草まみれがファッションとか、いくらなんでもないだろ。」


受け取った草をゴミ箱に入れながら応えると
大まじめな顔で母は言い返してくる。


「ケアレスで草まみれになるような息子の生活ってのも母は充分心配よ。
それにね、ファッションは本当予測不可能じゃない。
ワイルド系ってか、ねーちゃー系??とか言ったりしちゃうのかもしれないし、
草食男子なんて言うのも母さん聞いたことあるから、草でとっさに浮かんできたし、
最近、緑化とかはやってるから若い子は洋服まで?とか、
頭の中いくらでも錯綜して、色んな可能性考えちゃったじゃない。」


そして、つっこみを入れる間もなく
スリッパをならして母の背中は廊下に向かい
あっさりと扉は閉まった。


しばし呆然と、ころころテープを動かす手が止まってしまっていたけど、
母の登場に部屋の空気が少し緩んで
違和感が和らぎ、いつものなれた感覚がだいぶ戻ってきた感じがする。


ふと見れば
粘着面にはぎっしりゴミが張り付いて限界を迎えていたので
一枚むいて、制服の草取りを再会した。