だけどなぜだか
目立つのが嫌いなはずの俺なのに
おかしいくらい他人の目なんて気にならなかった。
そして思う。
これがいつもバネがいる普通の人間とは別次元からの景色なんだと。
「なあバネ。」
駐輪場の前出自転車から降り
体の離れたバネを見て言った。
「今度自転車の乗り方教えてやるよ。」
「うんっ!」
真っ直ぐぶつかった視線の先の大きなねこ目は
今朝一番よりは少しだけとは言え警戒と威嚇をゆるめ、
ほんの一歩にすぎないのだろうけど、俺がテリトリーに踏み込む事を許していた。
「裕吾っ!」
だけどすぐに
バネの次元の景色は侵入者の手であっけなく壊されて、
俺は自分に抱きついてきた結衣に怒りを感じながら、ただため息を一つついた。
「はあ。
何か用?保澄さん。」
俺の言葉とともに
俺に巻き付いた結衣の腕の力が強くなるのが分かった。
「裕吾ったら、先に学校行っちゃうなんてもうひどいなあ。
いつもの時間になっても出て来ないからお休みなのかと心配になって
インターホン押しておばさまに聞いちゃったよう。
でも、元気そうな顔が見られて良かったぁ。」
目立つのが嫌いなはずの俺なのに
おかしいくらい他人の目なんて気にならなかった。
そして思う。
これがいつもバネがいる普通の人間とは別次元からの景色なんだと。
「なあバネ。」
駐輪場の前出自転車から降り
体の離れたバネを見て言った。
「今度自転車の乗り方教えてやるよ。」
「うんっ!」
真っ直ぐぶつかった視線の先の大きなねこ目は
今朝一番よりは少しだけとは言え警戒と威嚇をゆるめ、
ほんの一歩にすぎないのだろうけど、俺がテリトリーに踏み込む事を許していた。
「裕吾っ!」
だけどすぐに
バネの次元の景色は侵入者の手であっけなく壊されて、
俺は自分に抱きついてきた結衣に怒りを感じながら、ただため息を一つついた。
「はあ。
何か用?保澄さん。」
俺の言葉とともに
俺に巻き付いた結衣の腕の力が強くなるのが分かった。
「裕吾ったら、先に学校行っちゃうなんてもうひどいなあ。
いつもの時間になっても出て来ないからお休みなのかと心配になって
インターホン押しておばさまに聞いちゃったよう。
でも、元気そうな顔が見られて良かったぁ。」


