「栞菜、ちょっと相談のってー!」



今日最後の講義が終わって、帰ろうとしたら呼び止められた。



「……え?あー、いいよ」



あたしの名前は、清水栞菜。医学部の2年生。


ブラウンの長い髪にフワっとした天然パーマ。

年齢より少し大人に見られる顔。老け顔なのかな……。



「あのさ、真子のことなんだけど……」



話しかけてきたこの男、池田和也。同じく医学部2年生。


ワックスとかパーマとかしてない綺麗な黒髪に、整っている顔。

優しくて爽やかな好青年に見える。



「……真子がどうかした?」



真子とは、飯田真子。あたし達と同じ医学部2年。

そして、和也が片想いしてる相手のことだ。