「雪が溶ける前に会いに行くから」 不意に聞こえた懐かしい言葉。 今のは、優奈? 「優奈?」 「あの時の敦也、かっこよかったよ」 俺に背を向けながら 懐かしむように君は言う。 忘れられてるだろうって 覚えてないだろうって 俺ってなんて勝手だろう。 優奈はあの日のままなのに。 優奈を強く抱きしめる。