「前の話だろ。今は…」
「……?」
「俺のもんだからいいの。」

「ふじたにく…」
そう言いかけた時藤谷くんの人差し指があたしの口に触れる。

「なんて呼ぶの?」
ニヤッってしながら人差し指を離してくれる。

「…りょ………うた。」

「きーこえませーん!彩乃ちゃんー?」
……んもう!こうなったら……!!

「涼太…!!」

「…よく言えました。」
ニコッと微笑みあたしの頭をポンポンってする。

__キーンコーンカーンコーン。

「チャイムなったね。帰ろっか?」

「…やだ。今日はサボるぞ。」

「なんでっ!だめだよ!」
「あ、そう。もう俺と居たくないんだ。へぇー。」


「そういう意味じゃ……ッ!」
「ならいいじゃん。」