「俺とこんなこと、してる場合じゃねぇだろ。好きな人といるべきだろ?」
そう言ってあたしから離れていった。
「ちょっ、待ってよ!!涼太!!」
涼太の腕を掴んだけどすぐに振り払われた。
「触んじゃねーよ…ッ。あ、あと、涼太って呼ぶのもうやめろよな。」
「ち、がうのにっ…待って…ッ。涼太…!!」
…うわぁぁんッ!泣いて泣いて泣きまくった。それでも涼太は帰って来なかった。
…はぁ。もう、仲良くできないのかな。
もう…涼太…藤谷くんの本性、見れないの?
…そんなの、寂しいよ。
教室に戻って、隣の席を見るとぐだーって寝っ転がってる藤谷くんがいた。
前の席の美湖が振り返って藤谷くんに、「どうだった?」って聞く。
寝そべったまま首を横に振る藤谷くん。
「そっか…。」
って!なんの話?ちょっと気になるし…。
「ね、美湖?なんのはなししてるの?」
「ん-?彩乃には関係ないよ!あ!あるけどない。ハハッ。」
ちょっと意地悪く笑う美湖を見てつられて笑うことしか出来なかった。
…あたしに隠し事か。ま、会ってそんなに経ってないもんね。そりゃ、隠し事もするよね。
「…の、あーやーのっ!」
「へっ?」
「へ、じゃないってば。ちょっと来て?」
美湖に無理やり手を引かれて屋上まで連れてかれる。
「なに?美湖。」
「あのさ、彩乃。好きな人いるんでしょ?」
「…なんで?」
「なんと、なく?へへっ。あってる?」
「ま、まあ、ね。」
「涼太でしょ?」
「……。」
合ってるけど…。なんか…言えないよ。
はぁーと呆れたようにため息をついて、あのね、彩乃。ってあたしの顔を覗きこむ。
「涼太ね、ホントのコト言うと好きな人いるの。」
…ぇっ。でも…そうだよ。あんなにモテるんだもん。女の子からいっぱいアピールされて、好きな子でも見つけたんだよ。
「あーでも!それは…涼太自身から聞いたほうがいいと思う。しかも今、涼太とケンカ?みたいな事してるんでしょ?ならなおさら!」
…なおさら?なにが?ケンカしてるなら話だって聞いてくれないよ!絶対に…。
こんなことを考えてるうちに美湖に教室まで連れて来られた。
「って!ムリムリー!!ぜっったい無理!」
「いいから、早く!ほらほらー!」
急かすように背中を押されて藤谷くんの所まで連れて来られる。
「…んだよ。」
あきらかに不機嫌オーラを出してるし…。
「話し…たいことがあるの。ついてきてくれる?」
