「はよ。彩乃。」
藤谷くんは眠たそうにしながらもふわっと微笑む。
「おはよ~。」
あたしは自分の席に座り、机に寝そべる。
「はぁー。」

「彩乃、どしたの?」
「美湖!…なんでもないよ~?」

「…なんか隠してるね…?だめ!ちゃんとあたしにいってよ!」
でも…

「んー。そんな言うまでもないよ!」

「いーから!」
強引にあたしを揺さぶる。
「あああー。わかったってば~!」
あたしは昨日あったことをすべて話した。

「ま、まじ!?うっそ!女嫌いの涼太が?」
「女嫌いなの?」
…うそだ!あたしにあんな事するなんて!
「うん!女嫌い!」
「へぇ~。」


「涼太、好きな人できたのかもね~!」
ニヤニヤして話す。

誰だろ。藤谷くん好きな人できたのかぁ。

「美湖、ホント俺のことわかってるよな。」 
廊下にいたはずの藤谷くんが隣に来て美湖に話しかける。
「あったりまえ!幼稚園から一緒だもん!」 
…そーなんだぁ!そりゃあわかってるよね。美湖。
「だな。てか、ちょっと、美湖良い?」
「いいけど?じゃ、彩乃、ちょっと待ってて!」

「あ、うん!」
なんだろ?何話してるんだろう…?まあ、あたしには関係ないか。