(来たっ!) 菊池の姿を目にして優乃は准恵の右腕を叩いてアピールした。 「来たね。はいはい。よかったね」 准恵も菊池の姿を認めていたのもあって優乃を軽くあしらう。 しかし優乃はそんな優乃の冷たい反応にも気付かない程に興奮していた。 菊池は黒板の指示を見て、教室の前中央に置かれている教卓の位置から机を数えて自席へと向う。 その間に顔見知りの数人と一言ずつ挨拶を交わしながら席まで歩き、そして座った。 それはチャイムと同時であり、それは優乃の右斜め後ろの席であった。