四季。死に手向ける夏





私はそれでいいと思ったよ。

平良くんらしいって思って少し泣けた。


四季の遺影に背を向けて歩くことも、四季がそれを見送ることも、今の2人にとっては死に別れるより残酷なことだと思ったから。


四季。

平良くんはあんたのこと、愛してるって私は思うよ。


5月にうちの庭で咲くカモミールが好きだって言ってたね。

四季のぶんも取って置くからドライフラワーにして毎年お盆になったら持ってくるね。

あんたを癒せなかった私がこれを手向けるのは、なんか笑えるけど。


四季、大好きだよ。


薫より。