「おっ!お帰り美咲!どしたの?まこっちゃんに呼ばれてたみたいだけど。」


『いや、なんか1年生大会まで、もっと気を引き締めて練習するように的な事言われた。』

「ふ~ん、なんで美咲にそんなこと言うんだろね。まあガンバろ!じゃあ先に帰るね!お疲れ様でした~。」

『うん、お疲れ。』

リナはまだ少しテンション高めに部室を出て行った。そんなにキャプテンが嬉しいんだ。
まさか言えないよね、アナタにチームをまとめる力がないからキャプテンが、どうのこうのなんて。今まで、キャプテンが2人なんてなかったし。なんか面倒くさいことになりそう。

着替えをして、帰る準備をし、

『お疲れさまでした~。』

と、部室に残る先輩たちに挨拶をして部室を出た。体育館昇降口に行くと、また昴が待っていてくれた。

「おつかれ。」

『ありがとう。お疲れさま。』

昴が帰り、私のことをココで待っていてくれなくなったら潮時だなぁ。そんな時が来たら来たで少しさみしいかも。

「ユニフォーム1番おめでと。」

『あれ?見てたの?笑 ありがと。』

「うん、見てた笑。」

『そかそか。笑』

「1年生大会ガンバ。」

『うん、ありがと。』

短い会話だけどなんだか久しぶりに昴の笑った顔を見た気がした。


あれから2週間、何事もなく普通に学校生活と部活を送り、ついに今日が1年生大会だ。
天気は晴天で、少し暑い。そして私は1番のユニフォームを着ている。

「よしっ!!気合い入れていきましょ~~~!!」

リナが4番のユニフォームを着て、みんなに気合いを入れた。

「お~~~~~!!」

なんだかんだで、私もテンションが上がってきた。笑
バレーは大好きだし、負けるのもイヤだ。ここまできたら、やってやる!!笑

ピピーッ!!

ホイッスルの音とともに試合開始。
初戦は、今年、女子バレー部が出来たという高校。2-0の余裕のストレート勝ち。
2回戦目も2-1のフルセットだけれどなんとか勝ち。

その後も、なんとか勝ち続けついに準決勝。
気温も上がりはじめ、体育館の中は30℃近くになっていた。
手を抜いて普段の部活をやっていたせいか、私はかなりバテていた。
それでも絶対負けたくない。せっかくここまできたんだから。

1セット。25対20でギリギリ旭橘高校が勝利。

2セット。22対25で対戦校が勝利。

1-1で3セットに突入。

3セット。23対24、対戦校がマッチポイント。
相手がサーブを打った。ボールは私のところへ。なんとかサーブカット。
セッターに無事上がった。セッターがトスを上げた。そしてリナがスパイクを打った。
決まったと思ったけど、相手チームのリベロがギリギリのところでリナのスパイクを拾った。
そして相手チームがスパイク。そのスパイクは、リナのもとへ。
リナは、そのスパイクを拾えなかった。相手のコースがうまかった。