まだ知らない愛。

「嫌か?」
「嫌…というかなんで…?」



「まだ帰りたくないんだろ?」
「え?」
「人混み、嫌いなんだろ?」



もしかして…
私のことを考えてくれたの?
人混み嫌いなの知ってたの…?


また胸がぎゅってなった。


「俺の家とお前の家どっちがいい?」


そう言って見つめる漆黒の瞳。
ジッと見つめるその瞳は自信に満ち溢れていて
吸い込まれそう。

私はその瞳が好きだ。


「瞬さんの家がいい」
と言った私に
「それでいい」
と満足そうに瞬さんは笑った。