瞬さん以外は…
沈黙に耐えれず、四人の前を通り過ぎようとしたとき
「来い」
後ろから聞こえた瞬さんの声。


立ち止まってはダメ。
振り向いてはダメ。

「桜」

なのに私はこの声には、その瞳には
逆らえなかった。
やっぱり私は弱い。
その真っ直ぐな瞳には弱いんだ…。

「来いよ」
瞬さんの言葉に静かに、微かに頷くと
瞬さんは少しだけ微笑んで私の手を取った。