「桜ちゃん、そろそろ帰る?」
下から帰ってきた葵さんが言う。
もうそんな時間なんだ……。
携帯の時間を見ると8:30と表示されていた。
頷いて送ってくれるという葵さんに付いて行こうと立ち上がったとき
「わっ……!?」
寝ているはずの瞬さんに急に後ろから手を引かれて
私はソファに倒れこんだ。
「し、瞬さん…?」
な、なに?びっくりした……
びっくりしすぎてまだ胸がドキドキしてる。
戸惑いが隠せない私をよそに立ち上がった
瞬さんは
「俺が送る」
と言って扉へと歩き出す。
「え?でも……」
あ、行っちゃった…。
葵さんを見ると「だってさ」と言って
笑っていた。
私も立ち上がって葵さんに挨拶をして瞬さんを追った。
葵さんは笑顔で「また明日」と言ってくれた。
倉庫から出るまでにもチームのみんなは
「桜さんまたね!」
「また明日っす!」
と沢山声をかけてくれた。

