まだ知らない愛。

ずっと瞬さんは私を見つめている。
さっきの低い声からして
私を街には行かせたくないんだろう。
きっとこの人は私が家に帰るまでいる気だ…。
今日は諦めるしかないか。
「家に…帰ります…」
ため息混じりに私がそう言うと
「それでいい」
瞬さんは満足そうに笑った。

もしかしたら瞬さんは知っているのかもしれない。
私が毎日街へ行くことを。
私が夜中になってもどんな危険な場所でも

独りでいることを…。