まだ知らない愛。

「すごいっ!すごいね瞬さん!」
色めき賑わうお祭りは人で溢れていていろんなところから美味しそうな匂いがする。
「瞬さん!かき氷食べたい!」
「俺も俺も!」
きゃーきゃーはしゃぐ私とさっきのことは懲りてないように私の横で目を輝かせている大樹さん。
「桜、いきなりかき氷でいいのか?」
大樹さんのことは完全無視な瞬さん。
「うん!」
「ここで葵たちと待ってろ」
と言って屋台の方に歩き出す。
「桜さん!こんばんは!」
そう言って元気に挨拶してくれる龍神の子達。
ここに来るまでにも瞬さんたちに元気な挨拶をしてくれた。
私は最近、やっとこの挨拶に慣れてきた。
「こんばんは」
私も笑顔で挨拶すると少し頬を赤く染めた男の子達が「自分!失礼します!」と言って去っていった。
首を傾げる私に大樹さんが「桜ちゃんは可愛すぎだからねぇ」
と言っていた。