「…別にいい」 しばらくの沈黙のあと部屋に響く低い綺麗な声が聞こえたと同時に瞬さんは奥の部屋へと消えた。 「今のが龍神の総長だよ」 ニコッと笑顔を私に向ける葵さん。 でもその笑顔は少し悲しそうに見えた。 正直聞きたいことはたくさんある。 だけどこれ以上関わるとダメな気がした。 だから私は何も聞かなかった。 聞けなかった-…。 その日は葵さんがバイクで家まで送ってくれた