まだ知らない愛。

黙々と考える私に後ろから届いた言葉。
「友達として、よろしく」
振り返るとうつ伏せのまま言った翔がいた。
こんな私を友達にしてくれるの?
私が気まづくならないようにしてくれてるの?
初めて友達と言われた。
その言葉に胸が暖かくなる…。
「ありがとう」
そう言うと翔は顔を上げた。
「お前、変わったよな」
「変わった?」
「いつもお前の背中しか見てなかったけど、お前の背中はいつも悲しそうだった」

いつから見ていたのかは分からないけど表に出さない苦しみに気づいてくれた翔。
こんな人に友達と言われた私は幸せ者だと思いながら、これも全て瞬さんのおかげだと思うと急に瞬さんが愛しく思えた。