まだ知らない愛。

玄関に戻ると、葵さんたちと話してる瞬さんの姿があった。
「そんなに説教されたのか？」
「へっ？」
「職員室に呼び出されてたんだろ？」
「え、あぁ、まぁね…」
そっか、葵さんたちにはそう言ったんだった。
倉庫へ向かう瞬さんをじっと見る。
「…どうした？」
わざわざ私が悩まないように綾芽さんに言ってくれたの？
って言いそうになるのを堪える。
きっと言っても瞬さんは知らないふりをするから。
嬉しくなって笑うと瞬さんに不審そうな顔で見られた。