まだ知らない愛。

「そう…もう言えるようになったのね」
「え?」
私の顔に視線を戻し、フッと笑う。
「二年前のことは、自分から話さないの。
だから、自分からあの事を話すなんて…」
本当は言いたくなかったんだ…。
当たり前だよね。死んでしまった尊敬する人との悲しい過去を簡単に口にできない。

無神経だったと思い、謝った。
「いいの。私も瞬のおかげで今は一人でも大丈夫になれたし…、それに」
私の顔をジッと見つめる。
な、なに…?あまりの綺麗さに女の私でもドキドキする。
「そんな過去を言える相手だってことでしょう?瞬があなたを信じてる証拠よ」
「綾芽さん…」