まだ知らない愛。

「瞬さんは…誰が好きなの…？」
頬が濡れている。私は泣いていた。止めたくても溢れる涙は今の私の心みたいだった。

車の中では私も瞬さんも一言も喋らず、倉庫に向かっていると思っていた車は私の家の前で止まった。
あぁ、やっぱり私は捨てられるんだ…。
当たり前だよ。他の男とキスした女なんて嫌いになるに決まってる。
「ごめんなさい。今までありがとう。さようなら」
別れの言葉を告げて車のドアを開けると無言で目を閉じていた瞬さんが言う。
「荷物」
「え？」
「自分の荷物、取ってこい」
は？何を言ってるの？荷物？
「話は済ませといた」
話？誰との？意味わからない。