まだ知らない愛。


倉庫の奥にある鉄製の階段を
カンカンと音を立てて登っていく葵さんの後ろを付いていくと部屋があった。
その部屋は幹部部屋らしい。
「どうぞ」
ドアを開けてくれる紳士的な葵さんは王子様ですか?というくらい顔が整っているから女の子たちにモテるのに納得する。
部屋に入ると机やテレビ、ソファがあって結構広い部屋だった。
何より私は正面に飾られた大きな旗に心を奪われた。


龍神という文字の背景に浮かぶ綺麗な月。
闇の中で光る月は強い存在を放っている。
「綺麗…」
思わず私は立ち尽くして見惚れる。