ヴァージン=ロード


「夢乃ってば……」
「さあ、こちらです」

 宗広さんが勝手知ったるといった様子で私たちを案内する。自分でデザインした建物なのだから、何がどこにあるかなんて熟知しているだろう。
 でも、いくら建築デザインを手がけたからといって、すでに結婚式場として使われているここでは部外者だろうに、こんなに我が物顔で進んでいいものなのだろうかと、ちょっとだけ不安になる。

「本当に入っちゃっていいんですか?」
「大丈夫。式場の人には事前に説明をしているし、許可もとってあります」

 嬉しそうに言う宗広さんは少年のようだ。宗広さんを先頭に、私達はヤマモモの並木道を通って、ラヴィンユのエントランスへと向かう。

「ここには宿泊設備もそろっているんです。みなさん今晩はここに泊まってください」
「そうなんですか?」

 てっきり近くのホテルに泊まるのかと思っていた私は、思わず問い返した。

「はい、遠方から来る新郎新婦やそのご家族のために泊まれる部屋もあったらいいと思って」

 とことん特別な作りになっているらしいけれど、とても素敵だと思った。エントランスまでの道も石畳で舗装されているけれど、変に凹凸がなくてとても歩きやすい。

「ここは、宿泊棟に入るためのエントランスです。さ、どうぞ中へ」

 黒い鉄格子の扉を開くと、中は吹き抜けのホールになっている。そこからさらに奥へと続く木材を模した扉があり、中が受け付けになっていた。