ヴァージン=ロード




 実際に目にすると、その雰囲気に飲まれそうになった。荷物を担いだまま、私は門で棒立ちになる。
 その門からは石畳の道が続いていて、その脇にヤマモモの樹が等間隔に並んでいた。

「凄い……」

 ぐるりと、石の塀に囲まれた重厚な城。中から、人々の歓声と鐘の音が聞こえる。真っ青な空に映える、白亜の迷宮――それが、ラヴィンユだった。

「わあああ、おしろだ! ねえ、まま、おしろ!」
「本当ね、凄いわ」
「いさきちゃん、いさきちゃんもみた!? すごいね!」
「そうだね、凄いね」

 夢乃と手をつないでいるののちゃんが、はしゃいで飛び跳ねている。お母さんと同じお団子ヘアに、くりっくりの目をしていてとっても可愛い。ののちゃんが着ている赤地に大きな白の水玉のワンピースは、もちろん夢乃のデザインだ。

「式を挙げているのね」
「ちょっと見てきてもいいんじゃないか?」

 カメラの入った鞄を肩にかけたカノンさんが中をのぞいて呟くと、リキがそそのかす。リキは荷物を担ぎながらベビーカーを押していて、そこには驚いてあんぐりと口を開けた小さな女の子がいた。
 シルバーブルーの瞳がまん丸に見開かれていて、ブロンドの髪がふわふわと風に揺れていた。