その日の撮影が終わって、私は家に帰ることにした。
最近では撮影の後での待ち伏せなんかも数が減ってきている。
進展もないので、みんな飽きてきているのだろう。
ため息をついて、ロビーを歩いていると、ふと視界の隅にひっかかるものがあった。
「?」
人より高い身長の男性がいた。
それは、待ち焦がれていた人だった。
「宗広さん……っ!」
私は思わずその人影に駆け寄った。
宗広さんは、最後に別れたときとは全然違う、優しい表情を浮かべていた。
「貴方に、訊きたいことがたくさんあるの」
「奇遇だな、僕もだ」
胸の鼓動がどんどん早くなる。
宗広さんに会ったら、最初に言わなくちゃいけないことがあった。


