あれから龍雅に家まで送ってもらい、あたしは自室に戻った。
そして、制服を脱ぎ捨てて闇蝶スタイルである黒の緩い生地のジャケットと暗めのジーンズに着替えた。
ジャケットの中は適当にタンスから引き出したTシャツ。
そんで、なるべく情報を集める為にパソコンを立ち上げた。
「えっと、確か雷王だよね…」
そう囁くように言うと、カタカタとキーボードの上に指を滑らせた。
まぁ、所謂ハッキングってヤツ。
ハッキング技術は憐のが優れてるけど、あたしだって負けてない。
…柚稀のハッキング技術もすごいと思った。
それぞれ独自の方法で、それでいて速い。
憐なんて、罠を仕掛けながらやってるのに速い。
ほんと、憧れちゃうよ。
「んー、と…あ、あった」
出てきた雷王の情報をあたしは頭の中に叩き込む。
そんで、あらかた頭の中に入ったら処理をしてからパソコンの電源を落として閉じた。
「さて、と。
遊びに行こうかな」
グッと伸びをしながらそう言うと、あたしはウイッグとカラコンを取って本来の姿に戻した。
これで、完璧な闇蝶の誕生。