すると湊はニコッと笑ってあたしにロールケーキを渡して来た。



「ありがと」



あたしがそう言うと、湊は『どーいたしまして』と言って自分のロールケーキをパクリと食べた。
だから、あたしもロールケーキを口に運んだ。

ロールケーキは、フワフワとしていてほんのりと甘くてすっごく美味しかった。
ロールケーキとか、久しぶりに食べたかも。



「美味しい」



「でしょ?
それね、冬依(とうい)が作ったんだよ?」



「冬依って?」



湊の言葉にそう返すと、湊はその冬依って人を呼んだ。
それでやって来たのは、大地と一緒に居た銀色の髪をした子だった。



「どーかしました?」



つなぎの作業着の上半身を腰で縛っていて、緩くTシャツを着ている冬依って子は、お菓子作りをするようには到底思えない。