「確か…楠木だったと思うけど…なんで?」



「…じゃあ、ソイツの地元は?」



龍雅は憐の事を探ってんのか、あたしの問いかけに答える事なくそう聞いて来た。



「えっと、確かN区だったと思う」



ここはM区だからちょっとN区までは遠いけど、上手く行けば憐に逢えるのかな?



「…狂蝶、か」



「!?…なんでそれ…」



龍雅の口から出てきた憐の通り名に、あたしは目を見開いた。
やっぱ、憐って有名なんだ。



「まぁ、この辺じゃ知らない奴はいねぇと思うぞ。
最近も暴れてるらしいしな」



「…そう、なんだ」



憐が暴れてるなんて知らなかったし、暴れてたのも全然知らなかった。
あたし、憐の事全然知らないや。