「女が入るのって久々だよな…。

あれ以来、女禁制だったし」



ポツリとそう呟いた疾風の方を向くと、疾風はあたしの視線に気が付いたのか苦笑いをした。



「一回、影籠が崩壊しそうになったんだよ。

それで、その原因が女ってのが分かったから禁制にしたんだ。
それからは順調に回復してって今の状態までになったんだよ」



疾風は首を傾げるあたしにそう説明してくれた。



「…あたし、入っても良いの?」



「帝は他の女と違ぇから良いんだよ」



隣に立つ龍雅に聞くと、龍雅はそう言ってあたしの肩を抱いて中に足を進めた。

こんなことされるの久しぶりだな。


柚稀が亡くなってから女らしい扱いを受けてなかったから…。

だけど、憐にはずっと女らしい態度だったのかも。