「柚稀と過ごした時間を思い出になんて出来ないよ」



あたしはそう言うと、俯いてギュッとスカートを握り締めた。



「今すぐにとは言わない。ゆっくりでいい。

でも、いつか帝が柚と同じくらい大切に想う誰かが出来たのなら、ソイツの事を愛すべきだな。
まぁ、あたしが言える事じゃないけどさ。

だけど、あたしは柚に帝を守ってくれって言われてる身だしさ」



そんな憐の言葉に、あたしは顔を上げた。

それって、どーゆー事?


柚稀はあたしの事、信用してなかったって事?



「憐にあたしを守ってくれって言ったって…?

あたし、柚稀より弱いってのは分かるけど憐より…」



強いと思うんだけど…?

あたしがそう言うと、憐は意味ありげにニヤリと笑った。