「へぇ?」



「ホント、帝はずりぃよ。
柚に愛されてるし、日向も居たしな。

帝は知らねぇかも知れねぇが、柚は帝に変な男がまとわり着かないようにあたしに近くにいろって言ったんだよ?」



そう言う憐は、その時の事を懐かしむ様な顔だ。

憐はあたしの知らない柚稀を知っていて、あたしは憐の知らない柚稀を知ってる。


それって、良いことなのかな?



「そんなこと言ってたんだ…柚稀」



「そう。
でもさ、柚、なんかある度にあたしに色んな相談してきたな…。

帝を愛するが故に起こる幸せな悩みなんだけどな。
半分以上がノロケだよ。


だからさ、帝はそんな柚との生活を引き摺らずに前に進んでけよ?
じゃないと、柚が可哀想だ」



憐はそう言うと、あたしから視線を外して空を見上げた。