湊のそれを聞いて、あたしは部屋を出て行った龍雅たちを思い出した。
何処へ行ったのだろう?
「何処に行くか聞いてないの?」
あたしがそう聞くと、湊は起き上がってニコッと笑った。
「なんかね、先代の知り合いの家に行くみたいだよ?
詳しくは分からないけど、情報屋らしいんだ」
「……そっか」
着々に亜邪との戦いへと準備が整ってく中、あたしはなにもしなくていいのだろうか?
龍雅たちに亜邪での事、まだ話してないのに。
「心配しなくても大丈夫だよ、きっと。
みーんな帝が好きだから。
帝の為ならなんだってするんだよ」
湊はあたしから不安を感じ取ったのか、安心させるようにそう言った。
それは分かってるんだ。
ただ、あたしは亜邪との戦いで平常心を保っていられるか心配なんだ。
あの時は憐がいたからなんとか保てたけど、今回は憐がいない。
あたしの全てを知ってる憐がいないんだ。

