徐々に目が冴えてくると、右手が何かに包まれてる感覚がした。
だから、顔をそちらに向けた。



「…龍、雅?」



そこには、あたしの手を握り、ベッドに伏せている龍雅がいた。
龍雅は、あたしの声に反応したのか身体を起こしてあたしの頭を撫でてきた。



「気が付いたか」



「うん…」



あたしはそう言うと、身体を起こしてベッドの上に座った。
それを見た龍雅も、あたしの隣に腰掛けた。



「ごめんね、龍雅。急に倒れたりして」



「いや、気にすんな。
帝にはまだ、早すぎただけだ」



ポンポン、とあたしの頭を規則正しく撫でる龍雅に、あたしは身体を預けた。
なんだかものすごく安心する。

憐と一緒にいる時とは別の安心感がそこにはあった。



「龍雅は…」



「ん?」



「ずっと一緒に…居てくれる?」



あたしがそう聞くと、一瞬だけどあたしの頭に置かれた手に力が入った。
だけど、それもすぐに緩んで龍雅があたしを元の体勢に戻した。

そして、龍雅はベッドからおりるとあたしの目の前に膝立ちになった。



「俺は帝を離す気なんてさらさらない。
もっと言うなら帝を他の奴にも渡さない」



「……えっ?」



ジッとまっすぐ、あたしを見据えながら言う龍雅。
逸らしたくても、逸らせない。

龍雅のまっすぐな瞳に吸い込まれそう。



「帝、お前が好きだ」



「……う、そ…」



龍雅の突然の告白に、あたしは口元を押さえながら再び溢れ出した涙を堪えようとした。



「嘘じゃない。初めて会った日からずっとだ。
学校で会った時、夢だと思った。
時間なんて関係ない。好きになったモノは仕方が無い」



文は繋がってないけど、龍雅の想いがあたしの中に入ってきた。
そして、あたしの中にあるその想いをぐちゃぐちゃにかき混ぜた。

溢れそうで溢れなかった想いを。



「返事は後でいい。
全て片付いてからでいい。
今はゆっくり休め」



龍雅はそう言うと、あたしの頭を撫でてから部屋を出て行った。