「それが分かればいい。
影籠には泉崎との初戦を手伝ってもらう」



「初戦、とは?」



お父さんの言葉に、疾風が聞き返した。



「帝の第一の宿敵、亜邪だ」



まっちゃんがそう言った事で、あたしの頭の中にあの日の光景が飛び込んできた。

大好きだった、大切だった柚稀が殺されたあの日が。


あたしはその光景に、眩暈に襲われ激しい頭痛がきた為、咄嗟に隣にいた龍雅の手を握った。
それに気付いた龍雅は、あたしに声を掛けてきた。



「帝?」



「……けて」



「…なに?」



そう聞き返してきた龍雅の言葉に、あたしは返そうとしたが、身体が言う事をきかず、龍雅の方に倒れ込んだ。



「帝!?」



そんなあたしをしっかり抱き留めてくれた龍雅。
お父さん達はそんなあたしの異変に気が付いたのか、龍雅になにか言っていたが、意識が飛んでいくあたしにはなにを言っているのか分からなかった。


ーー お願い、助けて ーー