「憐を信じて、龍雅を信じて、影籠を信じて…俺たち先代を信じて、それで自分を信じればいい。
人を信じる事はまだ怖いかも知れないが、人を信じる事で帝の中の何かが変わるはずだ。
…少しだけでいい。仲間を信じろ」
「…うん」
お父さんの言葉にそう言えば、お父さんは満足そうに微笑んであたしの頭を撫でると、元の位置に戻っていった。
なにも怖がらなくていい。
あたしには龍雅がいる。
影籠がいる。
…そして、憐がいる。
「泉崎の事はお前等が調べる必要はない。
亜邪もそうだ。…全て、任せる。天才に」
たっちゃんがそう言うと、颯哉が反応した。
「俺たちも、力になりたいんです!
俺なら、調べられる」
そう言った颯哉に、お父さんが首を横に振った。
「お前達には無理だ。
泉崎のハッキング技術は並大抵のモノじゃない。
尻尾をまかれたらそれで終わりだ」
「でも…!」
「だが、我々には泉崎のハッキング技術に勝る奴がいる。
短時間で調べ上げ、その上罠を引っ掛けて再起不能にする。
……お前達と同い年で、だ」
「……」
お父さんの言葉に、颯哉は押し黙った。
上には上がいる。
必ずしも、全てにおいて頂点にはそれなりの人物がいる。
ただ、それだけの事。

