「帝、お前影籠に来ないか?」
龍雅はそう言いながらあたしの元までやって来た。
「それは出来ないよ。
……今は、ね」
あたしがそう言うと、龍雅の眉間にシワが寄った。
「なんで?」
ハニーブラウンくんがこっちに来ながらそう言った。
「なんでって…。
今のあたしにはその資格がないからよ」
自分で言っときながらなんか虚しくなってきた。
自分の大切で必要不可欠だった狼龍を守ることが出来なかったあたしには、新しい仲間を作る資格なんてどこにもない。
「仲間作んのに資格なんているかよ」
赤髪くんが説教がまいな事を言ってきた。
「そう言ってくれてありがと。
でも、あたしは仲間にはなれないよ。
勿論、今はね」

