「なにそれ」



そう言って口元を緩めれば、龍雅も笑った。
そんなちっぽけな事に幸せを感じるあたし。

これが憐の言ってた事なのかな…?
柚稀の言ってた事なのかな…?



「2人共遅いよー」



かなり前の方にいる湊がぴょこぴょこと跳びながら手招きをしてる。
多分、立ち止まってるから校長室の前にでも着いたんだろう。



「ごめーん」



あたしはそう言うと、龍雅の腕を掴んだ。
そして、龍雅を見て笑顔でこう言った。



「走ろうよ」



「…あぁ」



龍雅も笑顔であたしの言葉を返すと、2人でみんなのいるところまで走り出した。
龍雅はあたしに合わせてくれてるのか少しゆっくりしてる気がする。
まぁ、脚が長いしね。


そしてみんなのところに着くと、あたしは龍雅の腕を離して軽く息を整える。
そんで、校長室の扉の前に佇む。



「…よし」



あたしは1人気合いを入れると、校長室の扉をコンコンッとノックした。