それから、あたし達は暫く他愛ない話しをしてからお父さんと一緒に警察署を後にした。

そんでお父さんの車が置いてある駐車場に向かう途中に、また入る時に見た人達が居た。



「…あ」



その人達は2人だけじゃなくて、仲間なのか他に2人連れていた。
その人達を見て固まるあたしに、お父さんも立ち止まってあたしの視線の先を見つめた。



「…帝、先に車に行って帰っててくれ」



「…え?」



あたしの肩をやんわりと掴んで車の方に押すお父さん。



「ちょっと急用を思い出してな」



「…分かった」



あたしは急にそう言ったお父さんを不信に思ったけど、あえて深くは追求しなかった。
多分、お父さんにとってとても重要な用事だろうから。











そして、車に着いたあたしは運転手にお父さんが来ないことを伝えると車を出す様に伝えた。

ゆっくりと発進する車。
流れる様に進んでいく景色を眺めながらあたしはさっきの光景を思い出した。


憐に似た雰囲気を持つ銀髪の人と、一緒に居た紳士的な青髪の人。
何処か似ているようで似ていない2人。



「柚稀と憐みたい」



あたしにとって大切な、かけがえのない人達。
そんな2人にまた逢いたい。

柚稀は無理でも、せめて憐だけには逢いたいな。
こんなに近くに居るのに逢えないなんて、寂しいよ。