流奈が目を覚ます。
「あ、流奈、起きたんだ」
「何の薬かいまいちわからな........うっ.......」
吐き気。
「睡眠薬とドラッグを混ぜ合わせたものらしいんだけど、どんな効果があるか確かめたかったんだ。
流奈、サンキュー」
ドラッグとは一般的に法に触れるような薬物の総称。
流奈はそんなものを飲まされたことに怒りを覚える。
「こんなもの飲ませて..............」
「流奈、もっと薬飲みたいだろ?物足りないだろ?」
「物足りなくなんか..............」
流奈は不覚にも、物足りないと思ってしまった。
もっと欲しい、と。
*****
そのまま流奈は薬物に入り浸り、幻覚や妄想に悩まされた。
何度もリストカットをしそうになるのを姉の理奈に止められた。
流奈の中学3年生から始まった薬物依存は、親にそれが知られてから1年をかけて無理やり更正させられた。
薬物がきれると暴れだす娘に親はきっと苦労したことだろう。
流奈は、やっと薬物依存から抜け出したが、まだ高校生なのに酒を飲んだりタバコを吸ったりしていた。
さらに、優等生の女子を主に標的としたいじめを始めた。
流奈は空手、柔道とも段持ちで喧嘩には自信があったから、殴る蹴るなんて簡単だった。


