〈藍side〉 小さく震えている花の綺麗なブラウンの髪を撫でる。 私は 花に何があったかなんて知らない。 でも花が今何かに怯えている なら私が今すべきことは 自分の気持ちを花に伝えること。 それだけは嘘がないから 私の気持ちは偽りなんかじゃないから 「藍、ありがと」 そう言って花は私を強く抱き返した それが素直に嬉しく思える。 私が必要としている人から言われる 《ありがとう》 は、私にとって何よりも幸せなことだから