「おい。」
いつもなら自分が呼ばれてる。なんて気付かないし、そんなことありえない。
でも、私はこの声を知っている。
「は、もり。。。」
静かに振り返る。
やっぱり派森は気付いてくれる
本当の私に
それだけで涙が止まらなかった。
「えっ、おい。綺羅?!なんで泣くんだよ?!」
1人で焦りだす派森。
そんな姿をみて思わず大笑いしてしまった。
そんな私を見て派森はポカーンとしていたけど、すぐつられて笑った。
その場で2人で笑っていた。
「あぁ、これが幸せなんだね」
私がそういうと
派森は私の目を見てゆっくりと頷いた。
そして
「これが幸せなら悲しみがあってもいいな」
と続けた。
その言葉にまた泣いた。
一回頷くだけじゃ足りなくて何度も頷いた。
それを見てまた派森が笑う。
その笑顔で私は幸せを知ってしまった。

